2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

約1週間ほど、ビジネスホテル生活を送った。最初は観光するのに忙しかったが、そのうちホテルでの時間も増えてきた。つまり、自宅にいるのと変わらず暇を持て余していた。私が小説家であったなら、この時間を利用して執筆活動をしただろう。実際はただの無職…

受け入れることと理解することは違う。共感でもない。受け入れることは諦めることと似ている。分かり合えないと感じたときには、そういう考えもあるのだと受け入れて無理に分かり合おうとしないことは、私の数少ない美点のひとつだ。けれど、分かり合いたい…

はい元気

輪郭がはっきりとした不安を抱え続けるのは性に合わないので、私に不安を与える人に「不安だよ」と伝えた。それだけで気持ちがたいぶスッキリ。切れる縁ならそれまでと思って。 そして別人のように懇切丁寧な返信が来た。いつも馴れ馴れしくも優しい彼が遠ざ…

不安で仕方ない。 私には何もないと思ってたけど、失いたくないものがちゃんとあって、今はそれを失うかもしれないという確かな恐怖を抱いている。私自身から生まれる不安だったらいいんだけど、他者から与えられた不安だから解決策が思い浮かばない。1週間…

たまには思い出して、

本当にいなくなっちゃう前に。仕事の最終日、思いの外いろんな人から声を掛けられた。会えなかった人からはLINEで挨拶されたり。 「寂しくなります」 「支えてくれてありがとう」 「一緒に働けて嬉しかった」 義理でも社交辞令でも嬉しい。本当は、それは私…

真剣に生きることと死ぬことについて考えたことがある人としか、本当の意味で解り合うことはできないと思っている。仕事を辞めた。どこにも属さないっていうのはやっぱり不安が大きい。私なんてどこにも存在していない期間がまた来る。 こんなんで生きていけ…

漂泊する声

「私は川を流れるアイスの棒だ。流れに任せて漂うだけだ。行きつく先がどこであっても。誰かが私を拾わない限り、私を繋ぎ止めるものは何もない」 むかし読んだ小説に、正確ではないけれど、こういったことが書いてあった。その本を読んだ当時、おそらく10代…

いつかのさようならの前に

まだ出会って間もない友人と神社へお参りに行った。 私はお参りはいつも真剣だ。友人に「何をそんなに熱心に祈ってたの」と聞かれたので、正直に「親友ができますように」と答えた。「もう俺たち親友だよね。すぐ叶ったね」 呆気なく親友ができた春。それか…