どうせ人間は平等じゃない

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辞める、辞めないをぐるぐるしている。人間関係が良好なだけに、この仕事を捨てるのはもったいない。けれどこの人間関係を切りたくて仕方がないというアンビバレンスな気持ち。

誰のことも知りたくはないし、誰にも私のことを知ってもらいたくはない。興味のあるフリもそろそろ疲れた。

でも本当は誰かの1番になりたい。ひとりだけで良い。例えば美味しいものを食べたときに私のことを思い出してくれる人がいたら良いのに。その人のことだけを知りたいし、その人だけに私のことを知ってもらいたい。

ないものねだりなんだろう。

ひょんなことから始めた文通が楽しくて、なんとか生きるモチベーションに繋がっている。最近の私のあらゆるモチベーションは底辺をさ迷っているから。
誰かに読んでもらうために文字を書く、という機会があまりなかったから新鮮だ。やりとりのペースものんびりで私には丁度いい。小さな楽しみがあるというだけで日々を乗り越えられるものだ。

現実世界より、全く知らない人のほうが気軽に内緒話ができる。話したことが誰かに広がっている心配もない。心配なのは私が幾分か世間からズレていることだ。

ブログと違って一方通行じゃないから、相手から反応があるのが面白い。一対一だから私もちゃんと反応できる。といってもメールでもそうじゃない?でも手書きの文字とポストに届くというオプションが嬉しい。相手が存在しているのがわかる。メールは意外と希薄だから。

仕事の関係者以外での知り合いが皆無だったから、それ以外でも誰かと繋がりがあるって大事なんだな。誰かと繋がってるって思えることがありがたい。


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しかし、実はブログよりも本音を綴れる場所なんてない。本音を打ち明けられる友人のような存在。一方通行だけど。

読書メモ

1-2月に読んだ本。2月は読書スランプ。
ネタバレ考慮してないです。

死者のための音楽 (角川文庫)

死者のための音楽 (角川文庫)

「バイオリンのように運命的で、オルガンのように厳粛だった」
今年の初泣きはこの本でした。どうしようもない家族の話。後ろからの3編がとてもよかった。泣き虫だけど、大事なもののためなら誰よりも強くなれる。綺麗な遺書を読み終わった気がした。
ただ、やっぱり所々で容赦ない。さすが乙一さん。


私はネコが嫌いだ。

私はネコが嫌いだ。

仲の悪かった犬が死んだときを思い出した。仲が悪くてもちゃんと家族だったよな。


ホテルメドゥーサ (角川文庫)

ホテルメドゥーサ (角川文庫)

「たしかにこの世界は、やり直しがきかないからいいのか」
誰しも、ここではない何処かへ行きたいと思うことはあるのではないか(解説より)。
でも、ここではない何処かってどこ?死ぬってこと?私のことを知ってる人が誰もいないとこ?
この本の中には“どこか”がある。行くか行かないかは自分次第。それぞれの迷いや“どこか”への憧れが綴られている。誰の気持ちもわかるような、そんな気がする。例えば今、痛くも苦しくもなく楽に死ねるとしたら?私がよく考えていることだけれど。大いに迷って、結局生きることを選ぶんだと思う。まだ道があるんじゃないかと思っているから。じゃあ死なずに別世界へ行けるとしたら?おもしろいテーマだったと思う。
最後のミンナの台詞を聞いて。海に漂ってるだけでいいなら魅力的だ。ありかもしれない。


ついてくるもの (講談社文庫)

ついてくるもの (講談社文庫)

一部読んだことがあるものも収録されていた。2回目でも安定の怖さ。三津田さんの小説は擬音が効果的に使われている。擬音が怖い。正体のわからない怖さ。でも、怖くても続きが気になる面白さがある。


魔邸 (角川ホラー文庫)

魔邸 (角川ホラー文庫)

個人的には、ミステリーにホラーを混ぜたら純粋なミステリーは存在しないと思う。ズルいというか、超常的なこじつけもできるな、って。しかしうまく成り立たせてしまうのが三津田さん。
死んじゃった人がみんな生きてる人を怨んでる訳じゃないんだ。助けてくれてありがとう。でも本当は助けたんじゃなくて、間接的に復讐を果たしたのかもしれない。悲しいな。あんな死に方をしたのに、明るく話していることが。うらめしやじゃないんだよ。怖かったんだよ。
とりあえず最後の一文には驚かされた。


ツバキ文具店 (幻冬舎文庫)

ツバキ文具店 (幻冬舎文庫)

  • 作者:小川 糸
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: ペーパーバック
「油が飛んだ跡なども、そのまま流星のように残されている」
「死ぬということは、永遠にいきるということでもあるのかもしれない」
ネットだけのメル友(古い?)に勧められて読んだ本。
素敵な本を読んでしまった。鎌倉という街が好きになった。なんなら住みたい。
文具店と代書屋を営むポッポちゃんと彼女を取り巻く鎌倉の人たちのお話。手紙が所々で登場するのがこの本の温かみを増している。
この本の中では穏やかな時間が流れていた。悪意が一片もまじってない。穏やかな登場人物たちに季節の流れ。ポッポちゃんの感性。誰にも知られたくない黒歴史があるところには共感できた。もう二度と先代に会えない悲しさもしっかり滲んでた。ホッポちゃんはずいぶんと丁寧な暮らしをしている。憧れだ。バーバラ婦人はチャーミングで本当に素敵。私も友達になりたい。あんな隣人さんが居てくれたらなあ。なんとなく、荻上直子さんに映像化してもらいたいと思ったけれど、もう既にドラマ化されているみたい。キャストがイメージと違ったから見ないけれど。
心に残しておきたい言葉がたくさん登場した。肌の柔らかさも骨の硬さも知らない、なんて切ないんだろう。
おすすめされなければこの本を手に取ることはなかったんだろうな、と思うと感慨深い。なんとなく、鰻が食べたくなった。


キラキラ共和国 (幻冬舎文庫)

キラキラ共和国 (幻冬舎文庫)

  • 作者:小川 糸
  • 発売日: 2019/08/06
  • メディア: ペーパーバック
ツバキ文具店の続編。ううん、私的には前作の方が好きだ。家族の話はむず痒いというか、こんな風に感情を綺麗に整理できるものか、とか穿った見方をしちゃう。
とても素敵な家族の話だけれど。いつも重くて辛い話ばかり読んでるから、こんか綺麗な物語が嘘臭く感じるんだろうか。男爵のとこもそうだけど、家族にはいろんな形がある。幸せ家族なんて未知なんだけど?読みながら、やっぱり私には家族なんて無理だと実感した。というよりは、思い知らされた感じだ。
ムカデが大量発生する鎌倉にはやっぱり住めない。でも旅行で絶対に行こうと思った。
ご飯シーンは相変わらず美味しそう。アジフライカレーを是非とも食したい!魚のフライが食べたくなってきた。

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人と関わる仕事をしていればいろんな人に出会うものだ。罵られるし、セクハラ紛いのことはされるし、神様みたいに感謝されることもある。
一生を共にするわけではない人たちのことで一喜一憂する必要はない。