読書メモ

8.9.10月に読んだ本。たくさんは読んでない。
ネタバレ考慮なしです。

完全に騙された!清々しいくらいに騙された!途中から疑問に思い出して混乱した。ネタ明かしされた今も混乱している。うまく整理できない。タイトルのABCが重要だったんだ。解説も小説の一部なんだ。内容は殺人の真相を探るものでありきたりなんだけど、なんだこれ面白い。作品として面白い。
この本を読んでて思ったのは、紙媒体の本にも検索機能があればいいのに、ということ。誰だっけ?ってなったときに名前を検索できたら登場シーンにすぐにたどり着けるのに。デジタルの本だとあるのかな?


本当か嘘かわからないホラー。ものすごい怖いわけではないけど、本当にそこら辺でありそうな怖さがある。すっと背筋が冷たくなるような。種明かしというか、著者の解説っぽいのが書かれてるのがいい。理不尽な終わり方ばかりだけれど。
カバー裏にも掌編が書かれてて得した気分。


怖かった。ぞわぞわってした。繰り返される同じシーンでも怖い。
シリーズ化されるのかなあ。


「話を聞くだけなら、壁でもできる」
面白かった。とんとん読めた。なんとなく流れは想像できるものの、なるほどこうやって繋がるんだーって。ふたりの登場人物が双方から追っている謎が重なる部分。お互いの登場人物同士は情報を共有してないからわからないけど、読んでいるこっちは両方の事情をしってるから少しもどかしい。
2004年頃の小説だけどシリーズではないのかな?だとしたらもったいない。


小説じゃなくてエッセイみたいな。加門さんて幽霊と共存してるんだ。幽霊と住んでるんだ。幽霊を受け入れてる人がこんなにたくさんいるもんなんだ。私はホラー好きだけど霊的なものに対してはわりと懐疑的だから、この本の内容も少し疑わざるを得ない。ただ、やっぱり読んでるとゾワってなる。私の代わり映えのないつまらない毎日にも幽霊が登場してくれたら刺激的なのに、なんて思ったり。
たたらばのひとつ目はきっとサイクロプス。こんなところで山白さん著のサイクロプスと繋がりがあるとは思わなかった。サイクロプスは信じたい。私はこのひとつ目がとても好きだ。目の前に現れられたら怖いだろうけれど。


すこしゾッとするような短編集。想像していた結末と違っていたり、とても面白く読むことができた。
個人的には「鳥の巣」がいちばん。


ミステリのようなホラーのような短編集。これは面白い。実は、辻村さんは初めて読んだ小説「スワロウハイツの神様」が合わなさすぎてずっと敬遠していた。人気作家とは知っていたけれど。もったいないことをしていたのかもしれない。
「踊り場の花子」
気違いじみてる。けど清々しい。私もこんな風に復讐を果たすお化けになりたい。
「ブランコをこぐ足」
「おとうさん、したいがあるよ」
「ふちなしのかがみ」
登場人物がふわっと入れ替わってしまったような違和感。ホラーだから謎は謎のままだけれど、理屈とか結局何がどうだったの?って考え出したらとまらない。眠る前に、あのしたいって結局全部ネズミだったの?ネズミが化けたの?私が認知症?とか。カナちゃんの年齢再確認したり。なるほど、言及はしてないのか…?とか。
「八月の天変地異」
泣いた。八月の奇跡。これが最後に読めてよかった。こんな話を書く人なら、もっとたくさん読んでみたい。


フレッド・ヴァルガスの新作が発売されていたなんて全く知らなかった!私はこの人の作品がとても好きだ。けれどずっと新作が出てなかったから、きっともう日本で翻訳本は売ってくれないんだろう…と諦めていた。前作を読んだのは2013年だった。
いうまでもなく今作もとても面白い。アダムスベルグ警視と9年ぶりに再開したわけだ。私の知っているアダムスベルグだった。ミステリーとしても面白いけれど、やっぱりユーモアや言い回しが日本のミステリ小説とは違って軽快で楽しい。重い事件を追っているのに、雰囲気が軽い。とにかく会話が逸れる。仕事中も酒を飲む。情と義が厚い。こんなにも無条件で上司を信頼できる部下たちがいるんだから、アダムスベルグはとても恵まれている。とくにダングラール。なんの見返りもなく理由も聞かずにただ助けてくれる。酒依存なのに!子どもが5人もいるのに!札束をポケットに突っ込んでくれる!登場人物で1番好きだ。そしてヒキガエルのプカプカバーン。1度だけ夢に見た。
それからルタンクール。仲間を助けるためにここまでできる存在感のある仲間。頼もしすぎる。信じ抜くこと、というよりは疑わないことを貫いた感じだ。アダムスベルグ本人よりも。
あとは可哀想な花牌。
夢の中でトリダンを振り回した。
また忘れた頃に次回作に出会えますように。