漂泊

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引っ越しの荷造りの途中に、愛犬が亡くなった時のメモが出てきた。
もう荷造りどころではない。

「病院へ連れて行ったけれどもう家には帰ってこれなかった。12月22日夕方、あの子が死んだ。」

たったそれだけの文章だった。
それだけだったけれど、いろいろ思い出して号泣してしまった。

9年前の冬、あの時たしかに何かが変わったんだ。
ろくに行きもしなかった学校を卒業して、何もせずにずっと引きこもってた私がやっと動き出せたのは彼の死があったからだ。
本当は、あの時なら死んでも許されるんじゃないかと思ってた。

強くなったんだなあって、自分でも思うよ。
会いたいな。