読書メモ

1月から読んだ本たち。
ネタバレ考慮なし。


つかみどころがなくて読みづらかった。芯がなくて、ふらふらしてて、すぐに忘れてしまう。たぶん私のコンディション悪かった。調子のいいときに読み返してもいいかもしれない。


全体的にはほのぼのとした話。でもなんか寂しくなるような話。読んでるうちに、終わりが近づいてるのがわかる。
夕子さんの話が印象的だった。誰かの死期が近づくと涙が止まらない。死んだらピタッと泣き止む。この涙が死の予感だと感じながら生きるのはしんどかったろうと思う。ギフと結婚して変化したのかな。
岩井さんは本当に器の大きな人だと思う。テツコのことならどんなことでも受け入れてくれそうな雰囲気の人。どうしてもパンケーキが食べたかったのが可愛い。私はこんな人にはなれないなあ、なんて思ったり。結婚詐欺の話題はちゃんと鎮まったのかな。
岩井さんはテツコとギフの生活にどんな感じで入っていくんだろう。もう入ってたけど、ずっとこのままではいられないんだろうなあ、なんて。終わらせていくこと、ちゃんと受け止めること、が丁寧に描かれていた気がする。
叶うなら、テツコと一樹の話をもっと読みたかった。どんな夫婦だったんだろう。寂しいよね。受け止めるけど、寂しいのは仕方ないよね。
いい本読んだ。


長い雨宿りが怖くて面白かった。
どこか三津田さんを彷彿とさせるような迫る恐怖。


伊坂さんの本なんだから読みやすいのは当然だ。でもなんでこんなに理不尽なんだろう。よくもまあ、こんな理不尽な出来事を思い付けるものだ。
ワタボコリの家に顔を出したのはフーガで、その後ファミレスのトイレへ行ってユーガと入れ替わったわけか。ということは、ほんの2時間程度の出来事。謎解きが難しい。
でもみんな幸せになれなくても、小玉とフーガが幸せそうでよかった。小玉が強いなって思った。やっぱ双子はひとりじゃなかったっていうのもあるけど、小玉はひとりだったから。もうひとりじゃないけど。
ユーガもきっと、復讐というか、人生の精算や挽回ができてよかったんだと思う。あまりにも悲しいけど。
しかしあの父親は本当に許せない。小玉の叔父も許せない。もっとハッピーな話が読みたくなったよ。
ところで、伊藤さんが言ってた案山子の名前は優午だな。オーデュボンの祈り。デビュー作を出してくるなんて。あの子供たちと伊藤の関係は?
面白かったけど、切なかった。ワタボコリも幸せになれよ。


むかしむかし、映画をみたことがある。映画自体はそんなに面白かった印象はない。というより内容もほとんど覚えていない。
この本を読み進めるうちに合致する記憶と違和感。そうだよ、映画では最初から最後まで怜子さんは副担任だった。死んでる人が生にすがり付く描写が滑稽だ。まるで生きてるみたい。だって彼女は生きてると思ってるんだから。ここで潔く「私を殺していいよ」なんてならないあたり、現実味がある。みんな忘れちゃうなんて悲しいじゃない。もう一人がちゃんといたってことを、誰かに覚えててほしい。
でも三年三組の呪いはこれで終わる訳じゃない。鳴が毎年「死の色」を見つけて殺していくわけにもいかないだろうし。
怜子さん家族がただただ悲しかった。


「寂しくて人を呼んでるなんて言われたら、こころがちぎれるような思いがするだろう」
また大切な本が増えてしまった。ホラーの短編集。
幽霊なんていないんだよ。だっていたら寂しいじゃない。っていうのが私の持論だけど、まったくその通りの短編が収録されていた。大事な人なら幽霊でも会いたいものなんだね。寂しいね。
ところで、ナマハゲが怖すぎる。読み終わったときより、次の日の方が怖かった。思い出して怖いのは久しぶり。これは本当に怖いやつだ…!終わり方が怖すぎる。全部忘れたらもう1回読もう。


いろんな縁があって読んだホワイトラビット。
久しぶりに黒澤さんと再開したなあって感じ。こんな人だったなあ、と。
「絶対に、と言う言葉を、絶対に言うな」と他人に言っておきながら、その数行後に「絶対に」と言う黒澤さんが好きだ。
この本はいろんな視点で描かれててなかなか面白かった。やっぱり伊坂さん上手だなー、見事に騙されて右往左往しちゃった。けども好きか嫌いかと考えたら完全に普通だ。すらすらは読めなかったし、誰にも感情移入できなかった。第三者目線だったからかな。
ところで、夏之目さんと娘さんの関係がとてもよかった。星の話をできる関係なんて素敵じゃない。それをちゃんと覚えていてくれるのも素敵じゃない。その点で言えば稲葉や兎田も当てはまるけど。
個人的には兎田と綿子ちゃんのハッピーライフを覗いてみたかったかな。


悪かった。悪すぎた。気分いいときにこの本読み始めたらものすごく気分が下がる。でも読むのを止められない。
帯通り、ほぼワルとクズしか出てこない。佳澄さん親子は哀れでしかない。関わる人によって人間って簡単に壊れるものなんだよね。そんで壊れるのは一瞬なんだよね。回復には時間がかかるのに。
最後のほうはコメディかな?って思うくらいハチャメチャだった。スローモーションで映像が流れてくるような。あれ、こんな映画どこかで見たよな?みたいな。
ところで社会福祉事務所のことは全くわからないけれど、これを読む限り本当に大変な仕事だと思う。


「流れ星の作り方」が、悲しい。


仕事を辞めたあとの参考にしようと買ってみた。私もできる限りバケーションしたい。でも全然参考にならなかった。
内容は伊坂作品だなーって感じ。実は彼はずっとバケーションしてたのかもしれないし、彼はこれからずっとバケーションなのかもしれない。
脅して言うことを聞かすより、親切にして協力してもらうってほうがお互い気持ちがいい。
ていうか、岡田と溝口の20年前の関係がわからなかった。溝口は岡田に助けてもらったことがあるから、彼のために何かしたくなったんだろうな。岡田のことを調べてる間に気づいたんだろうか。例の同級生?って思ったけど、さすがにお互い気づくだろうし溝口の家族が一致しない。
人のためだと思ってないけど人のために行動してる岡田はすごい。
ていうか最初の家族はどうなったんだろう。
彼らこそが残り全部バケーションだったりしないか。


女の日常や感情を書かせたら、この人の右に出るものはいないんじゃないか。輪郭のくっきりした小説を書かれる。
選ばなかった道を歩いてるもうひとりの自分がどこかにいるんだろうか。