読書メモ

最近は読書が楽しい。
コメダで本を読んでいる時間が一番充実している。
以下個人的な感想。ネタバレ考慮ないです。


なんだかやりきれないような話ばかりだった。人間らしさってこういうのだよなあ。


ヌメリヒトモドキの妻がかわいそうだった。ハムスターが懐いてくれない妻がかわいそうで切なかった。
なるほどなあ、という結末。
心理とか脳とか意識とかのレベルの話。その人らしさを構築するものに記憶っていうのは大部分を占めている。だから記憶喪失なんてなると人格が変わるというかその人らしさがなくなるのだ。いろんなことを考えられて面白い。


映画をみてから読んだ。けれど映画とはだいぶ内容が違ったような印象。
葛藤して裏切られることばかりの中に、光が射す瞬間がある。その瞬間のために、しんどいことも葛藤も全部乗り越えられる。圧倒的に苦しいことが多い中でも、スッと荷が下りる瞬間があるんだろう。きっと報われる。それはだいぶ先になるかもしれないけれど。
しかし、あの現場雑感は忘れられない。涙が出そうだ。
もう一回映画を見るぞ。


「そういえば、さみしいというのは、どうしていいかわからないことであった」
少しずつリンクしている短編集。誰かが誰かのキーパーソンになっているような、実は何も関係してないような、どことなく不思議な世界観。物語の中の物語が多くて、どこの誰の物語だったかなって迷子になる。深くもなく、浅くもなく、さっくり読める。後味スッキリのコーヒーのよう。お菓子片手に。


久しぶりに読書が楽しかった。続きが気になってスラスラ読めた。でもサイコ的な部分、わかりやすい展開だけれどページをめくるのが躊躇われた。この予想が外れてくれと思いながらページをめくったけれど、予想通りの展開に途方に暮れる。救われなかった。小説のずるいところは登場人物の今後が知れないところ。想像にお任せ。もちろん私は想像する。誰も救われない未来を。ただ貴治がかわいそうで仕方がない。
作品としては伏線の回収がうまかった。だからこんな態度だったのね。最後まで読んでみると、ちゃんと辻褄が合っているのか気になるところ。しかし当分読み返す気にはならないだろう。残虐な話だったけど、主要な登場人物がみんな憎めない。香奈子は全部を理解したとき、どんな気持ちになるんだろう。たぶん最後の一行に尽きるんだろうけど。心が壊れたりしないのかな。根本の「こんな現実に晒されて発狂したいのになんで発狂しないんだ」という気持ちもよくわかる。いっそ壊れてしまった方が楽だ。でもたぶん、彼も少し壊れかけてるんだろう。みんなどこかおかしかった。2回目読んでも楽しそうな本。やっぱり作り込まれた長編はいいな!と再確認。この人の作品をもっと読んでみたい。


期待していたけど怖さはイマイチ。不思議感も微妙だったかな。湖の上澄みだけを読んでいるみたいな浅い内容。設定も無理矢理感があるというか。もっと深いところまで掘り下げたら面白そうなのにもったいない。怖さの正体が怖くなくて、綺麗な終わり方ばかりだったのもホラーぽくなくて残念。誰目線だよって感想でごめん。
ライトノベルなのかな?だとしたらありなのか。内容的には抵抗もなくサクッと読める。


文庫化を待ちわびた本。期待を裏切らない面白さ。途中から伏線の回収が始まるけど、最後までドキドキしながら読める。登場人物の誰にもあまり共感できなかったけど、それ以上にストーリーがとてもよかった。登場人物の最初は普通なのに徐々におかしくなっていく過程が秀逸。人間の恐怖心、不安といった感情にうまくつけ込んでいる。ひとりおかしな人がいたら伝染するもんなんだなあ、なんて思ってみたり。みんな狂っていくけれど、どこか憎めなさがあって。特に聡は本当に男前だ。誰がなんと言おうと、優しさのかたまりだ。だから本当に悲しい。みんなが幸せになる結末ではないと思ってはいたけれど、それにしても悲しい。誰も幸せにならなかった。