駆ける9月

宅建設予定地の区切られた四角を見ながら、この空間にひとつの家族が暮らすことになるのだと思ったら奇妙な気持ちになった。そこはとても数人の人が共に暮らしていけるような広さがあるとは思えなかった。

困難をひとつ乗り越えた。けれど少しも強くはならない。

毎日、自分の言葉に後悔している。
人生の大先輩が「言葉は一生残るから、気をつけて使うんだよ」と言っていた。
まったくその通りだし、私も、私の周りの人たちも気をつけるべきだ。

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過去というのは幽霊みたいなものだ。

昨日がもう一度あればいいのに。

死ぬほど忙しい。忙しすぎて死ねればいいのに。
学校から帰ったらそのまま寝てしまったり。でも勉強しないわけにはいかないから夜中に起きて勉強をする。
晩ご飯を食べないことが普通になりつつある数日。
何を食べてもおいしくない。食欲もない。
セブンイレブンのバナナショコラは美味しい。これを飲んで眠る日々。

なのに夜に突然ドライブに行っちゃう。眠くてサービスエリアで眠って、また走る。
最近は季候も良くて散歩もよくする。
本当は勉強をすべきだとわかっているのに、後悔することもわかっているのに。

したくないことを一生懸命頑張っている。生きるということはそういうこと。
これがどこまで続くのか。

僕の体は止まったままで

ずいぶん賑やかなところで眠った。
とても眠かったし、会話には参加したくなかったからちょうどいい。
そんなに深くは眠れない。体や意識は沈んでいたけれど、耳は起きていた。周りの会話が私の頭の中で映像になる。
野球の話ならば野球の場面。どっちが勝ってるのか、私が何処に居るのかもわからない、夢とわかるような夢。
結婚は若いうちにすべきだという熱弁が聞こえてきたら、結婚生活のようなものを傍観する場面。

「あの人、やっぱり辞めちゃうかもね」

私はこれらの会話に全く参加したくはない。

でもね、会話の内容より、会話することに意味があるんだって。
なるほど。そんなことは知らなかったよ。


この前買った中古本の内側の表紙に「石塚君へ」って書いてあった。売っちゃったのね、石塚君。私が頂きました。

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ところで、あの人はやっぱり辞めてしまった。そういえば「向いてない」とか「したくない」とか言っていたな。そんな理由で辞められることが私はすごいと思う。けれど、そんな気持ちだったのかと批判されていた。
彼がネガティブな発言をした後、私は彼に「私と君は似ているって思うよ」と言ったことがある。
彼はあの時なんと言ったっけ。私は今でもやっぱり似ているな、と思うよ。