個人的な感想(ネタバレあり)。
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▼ユニット
できすぎてる。ただの傷の舐め合いに見えたから。そうなるんだろうな、っていう展開。それはわかるけどさ、でも途中で失速したよね。
心理描写がいまひとつ。
だいたい死では何も解決しない。
▼間違われた女
ハッピーエンドじゃなかった。いや、みようによってはハッピーエンド。私の中では違う。
心のどっかでみんなハッピーになるんじゃないかと期待していた。幸せになってもらいたいふたりが幸せになれなかったことが残念。児玉は頭おかしかったけど、幸せになるべきだったよ。
頭おかしかったけど。
▼聖域
読ませる。なかなか重厚な話だった。少なくとも軽くはなかった。
でもちょっと癖がつよい。死んだ人は結局人の中にしかいないよ。魂なんてのは人がつくった救いだよ。でも救いが必要なんだ。魂を感じられることは素晴らしいこと。
本当に千鶴が死んでしまって悲しい思いがわかる。大切な人が亡くなったら悲しい。
▼夜行
難しい。森見氏の中ではうまいこと完結されてるのか。
なんとなく、ニュアンスは理解できるけれど、文章におこすことは難しい。曙光の世界では大橋君が消えてて、夜行の世界では長谷川さんが消えてて、それって平行世界?それともそこから一本が二本に枝分かれしたのか。
それぞれの旅の思い出にも伏線があるのか。それぞれの旅の話が短編として普通に面白い。
曙光と夜行の世界でそれぞれ生きてきた10年。
大橋君と長谷川さんはそのふたつの世界に1人しか存在してないけど、他のみんなはそれぞれの世界に1人ずつ存在してる。曙光と夜行に取り込まれた人だけが経験する不思議?
何がなんだか。
消えたのは僕だったのか。ホラーでありファンタジー。もう一度読んだら何かわかるだろうか。
ただ、重厚感はない。軽い。四畳半神話大系の方が練り込まれてる感じがする。
▼三月の招待状
角田さんはやっぱりすごい。久しぶりに読んだけど、やっぱりすごく好きだった。誰の感情もすとんと入り込んでくる。反感を覚えることもあるし、共感できるところもある。
充留の宇田男への感情が瑞々しい、というべきか、生々しいというべきか。
何度生まれ変わっても、この人がこの生き方をしてなくても、なんでもなくても、やっぱり私はこの人を好きになる、っていう確信が心の底から理解できた。充留の気持ちが入り込んできた。すごい。
大人になっていくとはこういうことなのか。知っていくとはこういうことなのか。今もいつか過去になって、似たように思い出すんだろうか。それも人それぞれなんだ。
個人的には重春(充留の恋人)や智(麻美の旦那)の視点の話も読んでみたかった。私が麻美だったら離婚するし、充留だとしても重春とは結婚しない。面白い。
なんだかんだで裕美子が一番幸せに見えたし、きっと正道とまた暮らすんだろうなっとか思っちゃった。裕美子の正道に対する評価も理解できる。そうやって理解してても、この人じゃないと駄目な場合ってあるんだなって、すごいことだなって。
角田さんの話、もっとたくさん読むよ!
▼春の庭
この人の表現力はやっぱりすごいなあ。なんというか感性が。どんな風に世界が見えてるんだろう。言葉にしているような世界が見えてるんだろうか。
登場人物の話だけど、こんな風に近所の家や木を見つめてる人なんて居ないんじゃないかと思う。物語の中だけの感情だとしても、それを描くことがすごい。
「話したわけじゃないけど、わかってくれてる人がいるならいいか」って思ったこと。
とても大切なこと。
▼AX
やはり。伊坂さんの描く女性はみんな同じだ。しかもあまり居るタイプではないと思う。それとも男性からみた女性はこんな風にみんな同じようにみえているのか。
というか、男性にしても傾向が似てる。性格には個性があると思う。でも言葉遣いとかが似通ってて、それが個性を殺してる。
しかし、蜜柑と檸檬と槿が出てきたことが嬉しかった。
伊坂さん、どうぞ槿が(華麗に)活躍する話を書いてください。
スズメバチって誰だったっけなーとか、死んだような気がしないでもないなーとか、蝉って死んだっけ、とか。曖昧な部分は今度読み返そう。生憎、本は実家の本棚だ。
しかし、兜がああなってしまったのは残念だった。彼には妻と息子と幸せになってもらいたかった。「やるだけやって、駄目だったなら仕方がない」いい夫婦だったと思うよ。そしていい息子だよ。いい家族だったよ。
最後の最後に医師は槿に押されることを期待していたのに。しっかり清算していったな、兜よ。
淡々とした文章で、というか、ほとんど兜視点だけど、その兜が淡々としてたのだろうけど、アクションシーン(?)でも臨場感がないところが好きだな。