「全部嘘だから忘れてほしい」

子供の頃に、ちゃんと愛されたという記憶がほしかった。この記憶があれば生きていけるってくらいの愛情がほしかった。

でも私にはそんなものない。これからずっと、この、喉から手が出るくらいほしい記憶を探しながら生きていくことになる。死ぬまでだ。死んでも手に入らない。
この感情をたまにどうしようもなく持て余す。

手に入らないものを未だに欲しがっている自分に嫌気がさしている。こんな自分とはもう付き合っていけない。ずっと考えてる。もうそろそろいいだろうか。

ちゃんとした大人になんてなりたくなかった。
ひとりになんて慣れたくなかった。

洪水のように弱音を吐いたあと、残るのは途轍もない自己嫌悪。弱いと思われたくないし哀れだと思われたくない。悩みがなさそうな能天気。そう思われてるほうがずっと気楽だ。

バカみたい。