大丈夫じゃない

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今だから、少しだけ振り返る。
過去の遺物にするために。


実は6月頃にある人にお付き合いを申し込まれた。とてもいい人だった。けれど彼とは本音で向かい合ったことがない。もう30歳も過ぎてるし、次に付き合う人とは結婚も考えるんだろう。私には誰かと生活していく未来が見えない。家庭に良いイメージがない。彼は家族と仲が良くて、家族を大事にしていた。私は真逆だ。伝えていないことが多すぎた。
もうひとつ、失礼な話だけれど彼は少し自由人で年収は私よりも少なかった。もしかしたらこれが一番引っ掛かったのかもしれない。人のことを言えないくらい私も自由人のくせに。
ということで「私はあなたの思っているような人ではないですよ、もう少しお友だちでいませんか」という風にやんわりお断りした。
本当に残念なことにそれ以降、彼から連絡がくることはなかった。私はしばらく友人を失った悲しみに耐えるしかなかった。きっと彼を傷つけたんだろう。

気持ちが落ち着いた頃、それはつい最近だけれど、この話を少し年上の友人に打ち明けた。
「年齢を重ねたら心じゃなくて頭で恋愛をしてしまう」と彼女は言った。「収入とか将来性とか、優先順位が変わってくる。きっと間違った選択ではなかったと思うよ」と。

自分の気持ちを誰かに伝えることで整理できることがある。それに、彼女は私がどんな選択をしていても肯定してくれたんだと思う。

「寂しいけどね」