灰色の虹 (新潮文庫)

灰色の虹 (新潮文庫)

 

!ネタバレしてます。

復讐の話を探してた時に知った本。復讐される方じゃなくて、する方がメインの。

あんなに読みたくて読みたくて仕方がなかったのに、思ってたのと全然違った。残念。私が読みたかった復讐はもっと陰険な話。こんなあっさりした復讐があるものか(復讐する側の精神があっさりしてるわけではない)。もっと復讐される側のじわじわ迫る恐怖感や自分が間違ったことに対してのどうしようもない後悔の描写が欲しかった。ただ殺すだけでは復讐ではないのだ。もちろんフィクションの話ですよ。しかしこの作品にそれを求めるわけにはいかないのですね。じゃあ他を読めよって話ですね。

実はこの小説のメインは山名刑事の葛藤だったんじゃないのか、と少し思ってる。

ただ江木のお母さんはすごくいい人でした。